メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間やそのサービスのことです。メタバースでは、自分の分身となるアバターを操作して、他の人と交流したり、様々な活動を楽しんだりできます。メタバースは現実世界と連動することもあり、仮想空間で購入した商品が現実に届いたり、仮想空間での経済活動が現実の収入になったりすることもあります。メタバースは、ゲームやエンターテイメントだけでなく、教育やビジネスなどの分野でも活用される可能性があります。
メタバースの歴史
メタバースという言葉は、1992年に発表されたサイバーパンク小説『スノウ・クラッシュ』に登場する仮想空間の名称から来ています。その後、テクノロジーの進化によって、様々な仮想空間サービスが登場しました。2000年代には、Second Lifeという仮想空間サービスが一時的にブームになりましたが、その後は衰退しました。2010年代には、オンラインゲームやSNSなどで仮想空間を利用する人が増えました。特に、FortniteやRobloxなどのゲームは、メタバースの代表例として注目されています。これらのゲームでは、ゲーム以外のコミュニケーションやコンテンツを楽しむことができます。また、仮想空間で作成したアイテムやスキンを販売したり、NFT(非代替性トークン)として取引したりすることもできます。
メタバースの現状と今後
2021年には、Facebookが社名をMetaに変更し、メタバース事業に本格的に参入すると発表しました。Metaは、VRヘッドセットやARグラスなどのハードウェアや、Horizon Worldsというメタバースプラットフォームを展開しています。Metaは、メタバースを次世代のコミュニケーションプラットフォームと位置づけており、仮想空間でリアルなコミュニケーションをすることを目指しています。一方で、Niantic社は、AR技術を使って現実の世界とデジタルの世界を融合させる「現実世界のメタバース」を提唱しています。
日本でも、メタバース事業に参入する企業が増えています。GREEやクラスターなどは、メタバースプラットフォームやイベント制作を行っています。SHIBUYA109エンタテイメントは、The Sandboxというブロックチェーンメタバース上に専用区画を開設する計画です。また、ローソンやJTBなども、メタバースでの新しい販売やサービスを試みています。
メタバースはまだ発展途上の分野ですが、今後さらに多様化や拡大が予想されます。メタバースでは、現実では体験できないような様々な活動や体験ができるため、注目を集めています。しかし、プライバシーやセキュリティなどの問題も指摘されており、それらを解決する技術や規制の整備も必要です。今後、ますます多くの人々がメタバースを利用することが予想され、その影響力も大きくなっていくでしょう。
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